生活にとても支障をきたす片頭痛。なかには立ち上がれない、嘔吐などの症状を起こす方もおられます。一般的には難治性で、治ったと思ってもまた発生する疾患です。片頭痛のお薬は西洋医学的には軽ければ一般的な鎮痛剤、そうでなければトリプタン系の鎮痛剤を用いて血管を収縮させて偏頭痛を抑えますが根本的な解決ではありません。片頭痛は天候などの外的要因と身体の問題の内的要因が組み合わせて起こりますので、それぞれの体質によってその要因を取り除き、体質改善を図らないといけません。

片頭痛

対症療法だけですましてしまうことが多い片頭痛。しかしその痛みも身体の重要なシグナルといえます。しかも特効薬ともいえるトリプタン系の薬物も約3割の方が無効であり、解熱鎮痛剤を頻繁に服用するのも心配なものです。難治性の疾患ではありますが漢方薬で良くなった例は多い疾患でもありますので、生活を見直すと同時に漢方薬での改善もよいといえる疾患でしょう。

肝陽上亢の偏頭痛

ストレスに長期間さらされてそれにより自律神経系の臓器である「肝」の調節機能「疏泄作用」が乱れてそれが熱化し、中医学でいう「肝陰」を損ない起こる、また加齢により「肝陰」がパワーダウンすることから起こる片頭痛です。

張るような偏頭痛、めまい感、目の異物感、耳鳴り、いらいら、怒りっぽい、眠りが浅い、胸脇の部分が張って痛い、口の乾き、顔面紅潮などを伴います。気の上昇を抑え、「肝陰」を補う処方を服用します。


血瘀の片頭痛

ストレスや慢性疾患、その他の理由により血液の循環が悪くなる、中医学でいう「瘀血」によって起こる片頭痛です。慢性に経過する固定性で刺すような片頭痛、健忘、動悸、月経異常などを伴います。まずは血液の循環を良くする処方を服用します。

「瘀血」は病理産物で、何かの原因があって発生する状態です。よって「瘀血」の改善だけでなく原因も改善することが片頭痛の根本療法になります。


寒飲の片頭痛

胃腸の冷えなどがあり、それにより老廃物である「痰飲」が生成されそれが経絡を塞ぐことで発生する偏頭痛です。片側の頭が重く痛む、めまい、胸部や上腹部が張って苦しい、悪心、嘔吐、胃痛があり温めると楽になる、四肢の冷え、食欲不振などを伴います。

まずは胃腸の冷えをとることが大切なので、冷たい飲食物は避けて胃腸を温める処方を服用します。